下駄:下駄を履いて居酒屋さんまで歩こう

少し前までは都会でも田舎でも、季節に関わらず下駄で歩く音が一日中聞こえてきました。
下駄の音は、今日の生活で年輩の方々が最も懐かしむ音のひとつだと言われています。
慣用句で「下駄を履くまで分からない」という言葉があります。これは、勝負事の勝ち負けは終わってみるまで分からない、という意味です。
昔は居酒屋や寿司屋で料理人が下駄を履いていましたが、今では味気のない白のビニールブーツです。
日本人が西洋の履物を好み、下駄の存在を忘れてしまい、自分たちの健康までも忘れてしまったのは興味深い話です。というのも、西洋の靴は足を締め付け梅雨の時期や汗ばんだ靴下は皮膚病の原因になるのに対し、下駄は足に最も自然な環境で自由な動きをさせてくれる履物だからです。意外かもしれませんが、足の皮膚が木や塗の施された下駄に直接触れることにより、雪の中を歩いても足が適温に保たれるのです。
それのうえ日本製の良い下駄は平均5千~6千円で買うことができ、靴よりも安くずっと頑丈です! 静岡県の伝統下駄職人によれば、下駄は毎日履いても10年はもつそうです!
今日、下駄のほとんどが特に中国などの外国で作られていますが、まだ日本でも伝統的な職人さんはどうにか下駄を作っておられます。
広島県の福山市は全国の下駄の生産高の60%を占めており、大分県の日田市も下駄の主要産地です。
伝統的な質の高い下駄は福島、長野、新潟、秋田、静岡などの産地で作られています。

下駄は英語でwooden clogs(ウーデン・クロッグス)と呼ばれ、これは下駄がclogs(木靴)とflip-flops(サンダル)に見た目が似ているからです。下駄を簡単に説明すると、足を地面から遠ざけるため高さのある木の板に足を布のひもでくくりつけた履物です。下駄は着物や浴衣など和服と合わせて履かれますが、夏場は洋装で履かれることもあります。草履や他の履物に比べ下駄は高さがあり水が浸み込むこともないため、現在も雨や雪の日に下駄を履く人も見られます。
下駄の形にはいくつかの種類があります。欧米でもっとも知られている下駄の形は、台と呼ばれる足を載せる木の板に、足の親指と人差し指の間に鼻緒と呼ばれる布のひもを通して履く下駄です。靴下を履く必要はありませんが、芸子の見習い(舞妓とも呼ばれます)などは特別な下駄に足袋(日本式の靴下)を履いて履き具合を鼻緒と調節します。

女性の場合、天気の悪い日に雨や泥からつま先を守るため、爪掛け(つまかけ)と呼ばれるカバーを付け加えて下駄を履かれることもあります。
台の下に付ける部分を歯と呼び、これにも木が使われます。安い下駄では杉が使用され、高価な下駄では日本の北部の山から採れたとても軽い桐材が使用されます。
歯は通常、台とは別に作られ台の下の部分に取り付けられますが、高価な下駄では一塊の木材から歯と大が一緒に削られます。
今日、下駄の職人さんは珍しくなってきています(静岡県は産地として有名にもかかわらず5人しか職人さんがいません)。下駄を履く人にとって完璧に「足に合う」下駄を作るため通常は注文生産となっています。
下駄は実用的で健康に良くエコロジカルというだけでなく、そのうえ飾りやファッションとして海外でますます人気が高まり多くの人に認知されてきています。

台の形や色は様々です。例えば楕円形で横幅の狭い女性用の下駄や四角く幅の広い男性用の下駄、そして張下駄や塗下駄などがあります。
下駄の歯の先端部分には固い木材が穴を開けて固定されていますが、最近の下駄ではゴムの靴底が接着剤で張り付けられているものもあります。
鼻緒は幅が広くクッション加工されたものや幅が狭く硬いものなど、さまざまな種類の織物で作られています。鼻緒は綿織物に伝統的な日本のデザインなどがプリントされたものが人気です。鼻緒の中の部分(最近は合成繊維を使用、伝統手法は麻を使用する)にはひもが通っており、台に空いた3つの穴に特殊な方法で結びつけられています。鼻緒は付け替えが可能ですが、鼻緒がちぎれることは不吉なことと考えられています!
京都の舞妓さんは「おこぼ」と呼ばれる独特の高い下駄を履きます。「おこぼ」は子女が履く下駄でもあり、「ぽっくり」や「こっぽり」と呼ばれ、台の空洞部分に鈴をつけたりして履かれます。このような下駄は歩くのに支障が出ないように台を削り下駄が作られます。
大相撲の一番下とその上の番付の序の口と序二段は、いつも浴衣を着て下駄を履かなければいけないそうです!

コレクターのために下駄の種類を紹介します!(ここで紹介しているものはほんの一握りです)

・露卯下駄(ろぼうげた)、柳下駄(やなぎげた)
江戸初期に履かれた下駄。
・馬下駄(うまげた)
四角く杉材から作られていた。舗装された道で馬の蹄の音のように聞こえたため。
・駒下駄(こまげた)
明治以前に普及していたあらゆる天気に対応した下駄。
・桐下駄(きりげた)
桐を使用した高級下駄。初期は黒塗り。
・小田原下駄(おだわらげた)
高価な下駄にもかかわらず18世紀の漁港で働く人や漁師のあいだで人気であった。
・一本下駄(いっぽんげた)もしくは天狗下駄(てんぐげた)
歯が一本の下駄。子供から大人まで履いていた。
・高下駄(たかげた)
歯の高さが長い下駄。
・バンカラ
 歯の分厚い下駄。昔の学生に人気があった。

お勧めの工房/展示
静岡塗下駄工業組合
〒420-0047
静岡市葵区清閑町9-22
TEL& FAX:054-253-4917
ホームページ: http://www.shizuoka-kougei.jp/009.html

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